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August , 2017
Wednesday


第1回 中国人は人気アニメ「ちびまる子ちゃん」を見てヒヤヒヤ

2013年8月19日(月)11時30分更新
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中国のヤバい正体(画像1)

好評発売中の漫画「中国のヤバい正体」(大洋図書)

  

 はじめまして、中国人漫画家の孫向文です。今回から東スポワールドでコラムを書かせていただけることになりました!

  日本のアニメや漫画家は中国で大人気です。僕は昔、『一休さん』や『聖闘士星矢』に熱中して漫画家を目指し始めたんです。でも、中国人が日本のアニメを見ると、おかしいと感じることがあります。例えば、中国でも大人気のアニメ『ちびまる子ちゃん』です。日本の皆さん、このアニメのどこに中国人が違和感を覚えるか分かりますか? 

 

ちびまる子ちゃん登校シーン

中国でも人気のアニメ「ちびまる子ちゃん」。でも、このシーンは中国だとあり得ない!?

 答えは登下校のシーンです。ちびまる子ちゃんは、友だちのたまちゃんと一緒に通学路を歩いていますよね。でもなんで、親は付き添わないんでしょうか?中国だと、ああいう幼い子どもが1人で街を出歩くということはありえません。だって、誘拐されちゃうじゃないですか! 僕はあのアニメを見ながら、ちびまる子ちゃんが悪い大人にさらわれちゃうんじゃないかととても心配になりました。

 

  今、中国は誘拐が大ブームです

 年間1万5千人以上の赤ん坊や子供たちがさらわれています。特に1人だけで出歩いている子どもはターゲットにされます。誘拐された子どもは、女の子の場合、売春婦にされたり、男の子の場合、労働力として利用されます。それから、腕や足などをへし折られ、物乞いに仕立て上げられることも多いです。障害を持つ子どもは哀れみを誘うから、道端で物乞いをすると、みんな恵んでくれるんです。

  中国は一人っ子政策だから、親は子どもを大事に育てています。そんな手塩にかけて育てた子どもを誘拐されたらたまったものじゃありません。だから親はいつも子どもに付っきりです。学校が終わる時間になると、毎日、校門の前にはずらーっとたくさんの親たちが待ち構えていますよ。

中国人視聴者の多くは、あのシーンを見て恐怖を覚えているはずです!

 仮に、学校に迎えにも行かないで子どもを1人で家まで帰らせるような親がいるとしましょう。そしたら、たとえその子が誘拐されたとしても、同情されるどころか、親が無責任だから悪いって非難されますよ。

  ちびまる子ちゃんの祖父・友蔵はろくに働いていなくて家でごろごろしているんだから、まる子ちゃんに付き添って学校に行って欲しい!僕はちびまる子ちゃんを見るたびにヒヤヒヤしながら思いました。今は、さすがに日本の治安がいいから、送り迎えしないんだって僕もわかりました。

(文・孫向文、構成=井川楊枝)

孫向文プロフィール>中国人民共和国浙江省杭州市出身の30歳。漢族。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画賞にも応募して受賞する。エッセイ漫画『中国のヤバい正体』(大洋図書)が好評発売中!

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