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August , 2017
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ドクター林の健康トラの穴 第14回「プロレスラーの回復力」

2013年11月19日(火)06時00分更新
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人間には自然治癒力、免疫力というものが備わっており、それが強ければ病気にならないし、なっても回復が早い、ということを再三お話してきました。

自然治癒力が強く回復力も早いということは血液中のリンパ球の働きがしっかりしているということです。

私は長年プロレスのリングドクターを勤めており多くのプロレスラーと関わり、健康チェックや怪我の手当てをしてきました。

免疫力に関係のあるリンパ球というもの、通常は白血球中の約3割ですが、ほとんどのプロレスラーは白血球中の4割を超えるのです。これだけでも免疫力は強いと予想がつきます。

実際怪我の治療をする時などプロレスラーの回復力の強さに驚かされます。地方の体育館などは医務室はなくトレーナー室として部屋を一つ用意してあることがほとんどです。

擦り傷くらいはトレーナーが処置しますが裂傷や切り傷で縫合が必要と思われる場合は私が行います。会場に医務室もなく当然縫合器具などありませんから私はいつなんどきどこでも縫えるよう持ち歩いています。

しかし医者の常識として縫合するにはそれなりの環境が必要です。とにかく清潔が第一。不潔にしたために傷口が化膿することを一番恐れます。十分に消毒をして術者も清潔な格好をして行わなければなりません。縫合後は安静が原則、毎日消毒をして一週間後に抜糸をするというのが通常の傷縫合の経過です。

会場では一番大切な清潔な環境というのが確保できません。がそれでも縫わなければならず傷口だけでもきれいに消毒して縫うことになります。

トレーナー室さえない会場で縫わざるを得なくなったことも結構あります。

廊下に選手を寝かせて消毒をして縫い始めますが糸が洋服に触れたり傷口を拭くガーゼが床に落ちたり、それはそれは別の医者が見たら思わず目を背むけたくなるし、教授に見られたら大目玉間違いありません。看護師さんにみられたら次の日には病院中にやぶ医者としての評判がたつでしょう。

医者の常識から考えると縫合した翌日に傷口が膿んできて熱が出てひどければ敗血症の状態となり傷の治りどころではなく命にかかわることにまでなりかねません。

しかるにプロレスラー、こんな環境でも誰一人感染を起こしたものはいないのです。

通常1週間後の抜糸にも拘わらず4日目には傷もきれいに治って抜糸することができるのです。

プロレスラーの回復力にはただただ脱帽、我々が教わった医学の常識では計り知れない別の人種のように感じることが多いのです。

このように医学の常識を超えたプロレスラーの病気や怪我に数多く接してきた体験をお話してゆきたいと思います。

名付けてプロレスラー怪体診書。

Dr.hayashi

本名 林 雅之

1949生

千葉市出身

秋田大学医学部卒業

現在 医療法人社団祐光会理事長 弘邦医院院長

内科医として地域医療に従事する傍らスポーツドクターとして

東京都テコンドー協会会長

新日本プロレス 全日本プロレス ゼロワンなど各プロレス団体のリングドクターを務めている

メディカルエンターテナーとして「笑いと健康」をテーマにライブ活動を各地で行っている

ED治療に関しては日本での第一人者であり「男力復活」に取り組んでいる。

 

著書 

ガンやリウマチに効果のある免疫療法(本の泉社)

  リングドクターが見たプロレスラーの秘密(三一書房)

  脳で感じるセックス入門(扶桑社)

  など20数冊

 

新聞連載

  日刊ゲンダイ(関西版) ドクター林の性の相談室

 

ラジオ 

  かつしかFM ドクター林の健康げらげらクリニック(水曜日20:00~21:00)