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October , 2017
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ビチッとKENSOの原点

2013年11月19日(火)08時57分更新
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ビチッと節などで独特の存在感をかもし出しているKENSO。新日本プロレス、WJ、ハッスル、全日本プロレス・・・日本マット界だけでなく、米WWE、メキシコAAAなど世界で活躍してきた。

 

 

豪快なファイトとは裏腹に、リングを離れれば細やかな気配りができる男として知られているが、若手時代にはさまざまな武勇伝を残している。

 

 

新日本プロレス時代の逸話だ。鬼軍曹として有名だった、今は亡き山本小鉄氏を呆れさせたのだ。小鉄氏は誰もが恐れる厳しい指導で有名だった。誰もがみな、小鉄氏の話は直立不動で聞き、口ごたえなどもっての外。ヤングライオンは、まともに話さえ出来ないほどの怖い怖い存在だった。

 

 

ただ、KENSO(当時は鈴木健三)は、お構いなしに小鉄氏にもマイペースを貫いた。ある時、小鉄氏に呼び出されたKENSOはマンツーマンで指導を受けることになった。

 

 

道場近くの世田谷区・等々力の寿司屋だった。「何か食べるか」「いえ、いいです」「遠慮するなよ」「遠慮じゃないです。時間がないんで」「時間がない? おまえ、時間がないのか」「はい、そうなんすよ」。

 

 

想定外のKENSOの言葉に、小鉄氏は驚き、すっかりKENSOペースに巻き込まれた。時間がないのならば、と早口で注意する小鉄氏だったがKENSOは上の空。そわそわと落ち着かない。時計を何度も眺めてはため息をつく。それでもかまわずに話を続ける小鉄氏。

 

 

そのうち段々とイライラして来るKENSOは、おもむろに立ち上がると「すいません、もういいですか。女、待たせているんで」。

 

 

女を待たせているから、という予想もしない理由にひるんだ小鉄氏は「あ、ああ、もういいよ」と、つい言ってしまったという。

 

 

「じゃあ、どうも」。風のように去って行ったKENSO。ひとり残された小鉄氏は「今の若い者は・・・なんて年寄りみたいな言葉、自分は絶対に口にしまいと思っていたんだけど、本当にその言葉しか出なかったねぇ」と、後々しみじみと振り返っていた。

 

 

現在のKENSOからは、想像もつかない言動だが、若手時代の傍若無人というか大胆不敵なエピソードには事欠かない。KENSOのとらえどころのない魅力の原点は、こんなところにあるかも知れない。