20
August , 2017
Sunday


ドクター林の健康トラの穴 第23回「プロレスラーと脳震盪」

2014年2月12日(水)06時00分更新
Pocket

プロレスラーにけがはつきものです。

中でも危険なのは頭の怪我であることは再三述べてきました。

命取りになる可能性もあるのが頭の怪我、特に急性硬膜下血腫と呼ばれるものです。頭蓋内に出血しそれが広がって呼吸を司る延髄という部分を圧迫して死亡してしまいます。

試合を見ながら私が一番恐れているのはこれが起こらないかということです。

頭をたたきつけるような技、パイルドライバー、ジャーマンスープレックスホールド、またこれらの変形技など当たり所が悪ければ内出血を起こしやすい状態になります。

そこまでいかなくともよく起こっているのが脳震盪というものです。

脳震盪は頭部打撲直後から神経機能に障害が認められますが、それが一過性で完全に受傷前の状態に回復するものを言います。

意識消失がない場合でも記憶が無くなったり、ここがどこかわからなくなったり、平衡感覚に障害が来たり、頭痛、耳なり、めまいなど多くの症状を表します。

多くは短時間に消失しますが時に継続することがあります。多くは受傷後10日ほどで軽快します。

脳震盪後症候群として考えられているのは頭痛、疲れやすさ、音や光にたいする過敏性、視覚障害、耳鳴り、めまい最近の記憶の低下、抑うつ状態、睡眠障害などです。

これらの症状が消失しない間に練習、競技に復帰をした場合再度の脳震盪に陥る危険が高まり、死亡事故につながる重傷の急性硬膜下血腫などが発生しやすくなります。

どんなスポーツでも脳震盪を起こしたらしばらくは絶対安静にして十分に回復してから競技に復帰させますが、プロレスの場合 脳震盪は日常茶飯事と言っても言い過ぎでなく記憶が無くなっても翌日にはリングに上がっているのが普通です。

先日もある選手が試合中に相手のチョップが顎に入って一瞬わからなくなり試合後試合をしたのかどうかもわからなくなりました。翌日もまだわからないまま試合をしました。

こんなことはよくあることですがアメフトはじめ他のスポーツでは考えられないことです。このことでもプロレスラーのは医学の常識を超えています。

 

Dr.hayashi

 

 

 

 

 

本名 林 雅之

1949生

千葉市出身

秋田大学医学部卒業

現在 医療法人社団祐光会理事長 弘邦医院院長

内科医として地域医療に従事する傍らスポーツドクターとして

東京都テコンドー協会会長

新日本プロレス 全日本プロレス ゼロワンなど各プロレス団体のリングドクターを務めている

メディカルエンターテナーとして「笑いと健康」をテーマにライブ活動を各地で行っている

ED治療に関しては日本での第一人者であり「男力復活」に取り組んでいる。

 

著書 

ガンやリウマチに効果のある免疫療法(本の泉社)

  リングドクターが見たプロレスラーの秘密(三一書房)

  脳で感じるセックス入門(扶桑社)

  など20数冊

 

新聞連載

  日刊ゲンダイ(関西版) ドクター林の性の相談室

 

ラジオ 

  かつしかFM ドクター林の健康げらげらクリニック(水曜日20:00~21:00)