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December , 2017
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ドクター林の健康トラの穴 第26回「プロレスラーの回復力」

2014年3月10日(月)06時00分更新
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肩周辺に多い障害は肩関節の脱臼だけでなく肩鎖関節の脱臼です。

この脱臼は試合中に起こることがよくあります。

これは見ただけで鎖骨のあたりが上がっているのでわかります。 

しっかり固定しておくと手術なしでも治癒しますが少なくとも1か月は固定しなければなりません。

しかし2週間くらいすると試合をしなければならない義務感に駆られ試合を始める選手もいました。それでも試合をしながらいつの間にか治してしまうというのがプロレスラーです。

胸部には骨や筋肉など内臓を取り巻く組織の異常ばかりでなく胸郭内の病気すなわち肺の異常も考慮しなければなりません。

胸痛、背部痛などの場合、レスラーであれば骨や筋肉などの病気を考えますが私は気胸になっていた選手を2名経験したことがあります。すなわち肺がつぶれていたのです。

気胸というのは通常生まれつき肺を包む膜、胸膜の一部に弱いところがありそれがなんかの拍子に破けて肺がつぶれる病気です。

ほとんどが外傷性のものですから強く胸や背中をぶつけて起こります。

気胸になった場合は絶対安静にすると徐々に肺が膨らんで自然に治ることがありますので家で安静にしておくのも一つの選択肢です。

初めから大きく肺がつぶれている場合は胸膜腔に管を入れて空気を抜くことをしなければなりません。

安静にしていれば、と言われてもなかなか安静にしていられないのがレスラーの性分ですから十分に肺が膨らんでいなくともトレーニングや試合を始めることもありますが、レスラーなら大丈夫だろうと許可をすることが多いです。

この気胸、生まれつき肺の一部に弱いところがあって、と言いましたが大体気胸はやせ形の人に多いものです。

レスラーで気胸とはピンときませんが、意外とよくあるのが針治療など受けた時に針が深く刺さりすぎて、ということもありますから針治療の後になんとなく息苦しい感じがしてきたら 気胸を考慮してレントゲンを撮る必要があります。

私が経験した2例とも外傷性と思われるものでしたが、肺が十分膨らまないうちに復帰して試合しながら完全に回復しました。レスラーの治療経過は一般の人には参考になりませんが。

Dr.hayashi

 

 

 

 

 

本名 林 雅之

1949生

千葉市出身

秋田大学医学部卒業

現在 医療法人社団祐光会理事長 弘邦医院院長

内科医として地域医療に従事する傍らスポーツドクターとして

東京都テコンドー協会会長

新日本プロレス 全日本プロレス ゼロワンなど各プロレス団体のリングドクターを務めている

メディカルエンターテナーとして「笑いと健康」をテーマにライブ活動を各地で行っている

ED治療に関しては日本での第一人者であり「男力復活」に取り組んでいる。

 

著書 

ガンやリウマチに効果のある免疫療法(本の泉社)

  リングドクターが見たプロレスラーの秘密(三一書房)

  脳で感じるセックス入門(扶桑社)

  など20数冊

 

新聞連載

  日刊ゲンダイ(関西版) ドクター林の性の相談室

 

ラジオ 

  かつしかFM ドクター林の健康げらげらクリニック(水曜日20:00~21:00)