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December , 2017
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ドクター林の健康トラの穴 第27回「プロレスラーにとっての骨折って・・・」

2014年3月28日(金)06時00分更新
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プロレスラーに時々見られるのは、前腕骨の骨折です。

前腕骨には前腕の外側にある「橈骨」と内側にある「尺骨」とがあり、どちらかが骨折する場合と両方の骨が骨折する場合とがあります。

両手をつく動作で骨折する場合が多いのですが、私の経験した例ではプランチャーでリングの外に飛び出した時、相手の選手がよけてしまったために床に両手をついて落ちてしまい両前腕を骨折した女子選手がいました。

同様の落ち方で、片方の前腕の橈骨だけを骨折した選手もいました。

相手を前屈みにしての膝蹴りをして、防御した相手の腕の橈骨を骨折させた選手もいます。

床などの硬いものの上に落ちたり当たったりすることで骨折するならともかく打撃技で骨折するとは、プロレスラーの蹴りの破壊力は見ている以上のものがあるようです。

もっとも以前に素人がプロレスラーに混じって戦ったことがありましたが、パンチで殴り掛かったときに相手がそれを受けようと胸を出し、それに腕が当たっただけで前腕の骨折をしたことがありました。

そうなるとパンチやキックの破壊力だけでなく、素人にはプロレスラーの筋肉自体が凶器になっているといっても過言ではありません。

前腕を骨折したらレントゲンを撮って、骨折部位があまり離れていなければしっかり固定して6~8週間は動かさないようにしておきます。

骨折部位が離れたりずれたりしていれば整復して必要に応じてプレートなどで固定しなければなりません。

このように手術をした方が安心していられますが、手術をしても手術をしないで保存的に治療しても復帰まで5~6か月かかるというのが医者の常識です。

ほとんどの選手が手術をしたくないと言い、よほど骨折部位が開いていたりずれたりしていない限り保存的に固定だけで治そうとします。

選手は骨折した方の腕は使えないけど片方の腕や下肢は鍛えないと弱ってしまうと考え早期にトレーニングを始めます。

「4週間のギブス固定」と指示しても痛みもなくだんだん煩わしくなってくると、ギブスを外して骨折した方の腕は使わないようにするものの 他は通常通り動かしてトレーニングをしてしまいます。

暫くしてレントゲンを撮ってみるとまだ骨折部位がくっついていない、焦る気持ちからかそれでもトレーニングを続け、8週間ほどたって骨折部位が充分についていなくとも自分で判断して試合を始めてしまいます。

そのうち周りも骨折していたことなど忘れて膝蹴りを当てたり腕を集中的に攻撃したりしています。いやはや。

 

Dr.hayashi

 

 

 

 

本名 林 雅之

1949生

千葉市出身

秋田大学医学部卒業

現在 医療法人社団祐光会理事長 弘邦医院院長

内科医として地域医療に従事する傍らスポーツドクターとして

東京都テコンドー協会会長

新日本プロレス 全日本プロレス ゼロワンなど各プロレス団体のリングドクターを務めている

メディカルエンターテナーとして「笑いと健康」をテーマにライブ活動を各地で行っている

ED治療に関しては日本での第一人者であり「男力復活」に取り組んでいる。

 

著書 

ガンやリウマチに効果のある免疫療法(本の泉社)

  リングドクターが見たプロレスラーの秘密(三一書房)

  脳で感じるセックス入門(扶桑社)

  など20数冊

 

新聞連載

  日刊ゲンダイ(関西版) ドクター林の性の相談室

 

ラジオ 

  かつしかFM ドクター林の健康げらげらクリニック(水曜日20:00~21:00)