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November , 2017
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MAGUMIがTHE BREATHLESSニューアルバム「Demonstration」とシングル「Discharge」全曲解説

2014年5月21日(水)10時00分更新
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 レピッシュ(LA-PPISCH)のボーカルMAGUMI(マグミ)率いるMAGUMI&THE BREATHLESSが、3年ぶりにアルバム「Demonstration」とシングル「Electric Discharge」を14日に同時リリースした。今回は、MAGUMI自身による全曲セルフライナーノーツをお届けしよう。(青山)

MAGUMI AND THE BREATHLESSは、MAGUMI(ボーカル・トランペット)、永井秀樹(ギター・コーラス)、袴塚徳勝(ベース・コーラス)、カサマツマサヨシ(ドラム)、島本亮(キーボード・サックス・コーラス)、直江誠治(パーカッション)の6人編成。

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■アルバム「Demonstration」

♯01「Beautiful World」

 ダンスとロックをうまく融合させたかった曲です。自分の中で90年代初頭のマンチェスター系の流れを汲むものを作りたくてこの形となりました。詞の世界では、昔から自分と人とが同じ世界の景色であり色を見ているのが疑問であり、それを確かめることもできないので、そのようなものからオカルトや現実もひっくるめてまとめてみました。200年前にジャンボジェット機が空を飛んでいたとして、それが全ての人に果たして見えたのかなというようなことも含めてね。曲の壮大なイメージからは意外ととおく、音数は少ないです。そこは、上手くいった気がします。

♯02「Parting Dance」

 永井がけっこうキャッチーなダンスソングを作ってきたので、BREATHLESS風にちょっと引っかかりのある変拍子の部分を作ってみました。「Beautiful World」と同じでダンスロック風です。なんとなく英語の歌詞が合いそうだったので、ちょっとかっこつけてみました(笑) 内容はタイトルそのまま、別れのダンスな詞のイメージです。リズムの変化が面白い作品になりました。

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♯03「Q Dub」

 一番最初はライブのオープニングで始まると渋いかなと思い、メンバーにdubを提案しました。ライブを重ねるごとに音が固まってきたので、アルバムに入れることにしました。dubはミックス次第で色々な表情を見せるので、ミキサーの牧野さんにバンドの素材だけを渡し、いっさい口を出さないので自由にやってくださいと言って、完成をわくわくしながら待ちました。タイトルの”Q”は、昔から牧野さんが名前の間に付けているものです。

#04「死角のシルエットII」

 亮ちゃんが曲を持ってきた時に、これはいい曲になるなとピンと来ました。詞の世界も曲調からすぐ浮かんで、子どもの頃から続きで見ている夢を広げて書いてみました。3拍子のティンバレスのロータムの方で叩いている、ドーンと響いている音は、魔王が忍び寄るイメージです。最初に亮ちゃんが曲を持って来た時にメジャーのサビとマイナーのサビがあり、最初にライブで発表した頃は、それをミックスした形で演っていたのですが、全部マイナーのエンディング違いのアイデアが浮かんだので、アルバムでは、そのまま現実に戻らないタイプを選びました。最初の頃は、シャッフルのハネが甘かったのですが、皆んなでリズムボックスに合わせて、心の中でズックズックと拍子を合わせているうちにいい演奏になってきました。

♯05「Electric Discharge」

 永井が最初、ギターだけの形で私に持って来て、これはライブの定番になるなとすぐ思い、リズムアレンジと構成と歌を作りました。実際はハードロックっぽい作品なのですが、イントロからのティンバレスの音で個性を出しています。当然、最初の永井デモではリズムが無く、変拍子っぽく聴こえているところがあったので、そのまま採用させていただきました。多分、あまり気付かないと思うけどね。作品が出来てすぐライブでもオーラスの曲になりました。今のBREATHLESSでは、まだ勢いも必要なので、シングルに選びました。

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♯06「Demonstration」

 最初から不思議な雰囲気を持っていた曲で、アレンジ次第でどのような形にでもなったと思うのですが、パーカッションはデモから大切な位置に置かれていたので、似たようなことをしながらも、曲のイメージを変えて最後にサンバに持っていく構成にしました。まぁ、ロックバンドがやるサンバですから、どうしてもエセにはなるのですが、私の持っている知識をフル動員させて形にしてみました(笑) 東京に住んで、もう30年を超えましたが、この街は住むというより活動をしていく街のイメージが強く、それを詞の世界に入れてみました。ここまでは、ホーンの曲がなく、アルバムの中で言えば、次の章の幕開けといった感じでしょうか。

♯07「砂の家」

 前の「delight」の頃からあった作品で、バラードが多かったため、時代にあまり左右されないこの曲を残しました。亮ちゃんのメロディアスな作風が素直に出ている作品で、一般的にも、もしかしたら受けがいいかもね。最初の頃は、色気のあるベースはハカマも難しそうにしてたのですが、最近は、ベースが歌うような曲も自分の新しい武器になってきました。まさに、ベース命のような曲ですね。けっこう震災をイメージするような言葉が出てきますが、それ以前の作品で、子どもが無邪気に作る砂の家がいとも簡単に壊れることから膨らました詞になっています。

♯08「水槽」

 最初は、もうちょっとレゲェな感じだったのですが、そこにロックのテイストをミックスさせて仕上げました。まぁイントロからリズムがかっこいい曲です。Aメロは、ラップ調から徐々に変化していく感じで、最初は一人で歌っていたのですが、ブレスをするところがなく、まじでブレスレスになっていたので(笑) コーラスとの掛け合いにしました。それがけっこう、いい味になったと思います。歌は一番個性が出ますからね。この3年間で世の中も色々な事がありましたから、そういったものも踏まえて、回遊魚が大海を泳いでいる時は、抜群のチームワークで種を守っているのに対し、その魚を水槽に入れると、途端にいじめが始まることを知り、人間に置き換えながら詞の世界を作りました。最後のエンディングのホーンは当然、昔の東映のイメージです(笑)

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♯09「Abracadabra」

 シンプルなスカながら、歌ってみると意外と難しいかもね。テンポが速い割には我慢が必要な曲です。リズム隊は、頑張ってくれました。サビで”アブラカダブラ”がすぐ出て来たので、煮え切れない人に呪文を唱える歌にしました。ともかく、ブレイクが多い曲なので、一度だけ外しはありますが、皆さんには頑張ってジャンプして欲しい曲です。歌いながらジャンプできない個所が多少あるので、ライブではよろしく!

♯10「Back Yard」

 個人的に大好きな曲で、ビートルズの中期あたりのイメージでアレンジしました。時代が変わっても、自分が歳をとっても、普遍的な作品にしたかったですね。クラリネットは、スリルのロベルト小山さんに吹いてもらいました。La-ppischの時も、本当は、サックス、フルートが本来の楽器なのに、また無理を言ってしまいました。小学校1年生の頃の友だちの家の裏庭をイメージして広げました。その友だちの家と私の家が裏だとブロック塀で斜向かいでつながっており、よく近道をして怒られました(笑) まさしく、1970年の風景です。

♯11「トルコ行進曲」

 まぁ、永井がいつも遊びで弾いていたのを口実にしましたが、アルバムに遊びを入れると、そこから広がるものもあるもので、中にはこの曲が一番好きと将来言われて、ガーンと来る日があるのかな(笑) もうちょっとおちゃらけてもよかったのですが、モーツアルト様に失礼なので、これぐらいにしときました。曲はツアー中にもっと上手くなるかもね。それが吉と出るかジョージと出るか?

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♯12「Liar」

 違ったタイプの勢いのある曲がアルバムに欲しくて作りました。最初、部分部分で作って、それを全部つなげると言ったら、メンバーから、えーっ!?と言われました。でも、ライブで3回ぐらい演ったら、皆んなもしっくりきたみたいです。パンクとアヴァンギャルドな世界の融合ですね。最初からサビを”ライヤー(嘘つき)”と決めていたので、種類の違う嘘つきを並べてみました(笑) この曲に慣れてきたら、パンク部分を待つように暴れてくれるかな。

♯13「Good Bye Sunshine」

ジャズ風な曲調にビートルズ風味をミックスしてみました。もしかしたら、今回の作品で一番、ポップかもね。まぁ色々ありましたから、日常の平穏な日々が一日でも早く復活する想いを込めて詞を書きました。イントロとエンディングのホーンフレーズが素晴らしく、最初、コピーするのも難しかったのですが、なんとか形になりました。今回のアルバムもトロンボーンは、全曲、増井君に参加してもらい、当然、一番好きなプレイヤーで長い付き合いなので、一緒に吹くと、ハマりがバッチりで安心できますね。

 

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■シングル「Discharge」(アルバムと被っているので「Discharge」は省きます)

#02「死角のシルエット」

 こちらのバージョンでは、エンディングを現実に戻してみました。初めて聴いた方は、こっちの方がややこしい感じがメジャーになっているので、するかもしれませんね。現実に無さそうな風景をいっぱい想像して本編は書きました。ライブでもジワジワと戦力になって来ている曲です。

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#03「Ghost Town」

 亮ちゃんにしては珍しいロックンロールの曲です。サビに移る展開部で亮ちゃんらしさは出てますけどね。ロックンロールの部分では、60年代後期のテイストやキース・リチャーズばりなカッティングを永井に頑張ってもらいました。ホーンフレーズは、70年代風かな。311以降のイライラ感をゴジラに置き換えて、珍しくストレートな歌詞になっています。綱引きで、政治が動かない中、まぁ結局、皆んなマルコビッチになっちゃえって言ってますけどね(笑) マルコビッチの穴を観ないとなんのことやら分からないと思いますが、最近は逆に、信じられない事が進み過ぎて、怖いですけどね。

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このアルバムでの一番の収穫は、トリオの充実です。もう最初にその部分が完成した時点で、いいアルバムが出来ると自分の中では確信していました。けっこう音数があるように感じる曲もあるかもしれませんが、トリオは、ダビングはしていませんし、音の場所も最初から最後まで同じ場所です。乗っかりもので色を付けて、できるだけ音数も減らしました。バンドに一番近い形で完成させたかったので、満足しています。曲のタイプもそれぞれ違うのですが、曲順の流れでスムーズに聴ける形になったと思います。今回のアルバムを作って、また面白いものを作りたいと大きな意欲が湧きました。それでは皆さん、まずは、ツアーでお会いしましょう!

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■2014/5/21(WED)「GOOD TIMES ROLL!」
出演:MAGUMI AND THE BREATHLESS、渡辺俊美、THE LIPSMAX
at 下北沢GARDEN http://gar-den.in/

OPEN 18:30 / START 19:00

前売り \3,500 (+1D) / 当日 \4,000 (+1D)

 

いよいよ明けて今日になりました。まさしく、新譜を発売して、初めてのライブなので、応援よろしくお願いします。せっかくなので場内BGMは、ポールマッカトニー特集で行こうかな。

by MAGUMI

■BREATHLESS公式ブログではメンバーの解説も http://blog.livedoor.jp/thebreathless/