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December , 2017
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ドクター林の健康トラの穴 第34回 「力道山の本当の死因」

2014年6月26日(木)06時00分更新
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昭和38年12月8日力道山が刺されるという事件が起きました。

赤坂のニュー・ラテン・クォーター、というナイトクラブで暴力団の構成員と口論になり、そのあげく腹部を刺されて病院に運ばれました。

力道山は脇腹を抑えながら席に戻って平然と酒を飲んでいたそうですが出血がひどくなって赤坂の山王病院へ搬送されたそうです。

緊急手術で一命は取り留めましたが、一週間後には腸閉塞をおこし再度手術を受けました。

この手術も成功したということですが、その日の夜に突然死亡しました。

腸閉塞を起こしたのは、腹部の術後は禁食が原則なのに空腹に耐えきれず寿司や酒を摂っていたからだとされています。

腸閉塞の術後数時間で亡くなった原因には諸説あります。

表向きは穿孔性化膿性腹膜炎、つまり腸に穴が開いて化膿したというものです。

しかし刺された後の死亡であればともかく、一旦傷を塞いで回復してきておりその後に腸閉塞を起こしたというのですからこの診断名は当たらないと思います。

手術中に麻酔科医が呼吸管理のため気管に挿入するチューブがうまく入らず窒息させた、という説もあります。

また解剖をした慶応病院の担当医の見解は、「傷口の洗浄不備と麻酔の過剰投与が原因」と言っていたことが後でわかりました。

であれば当初の刺し傷を縫合したのちの消毒が完全でなく、感染を起こし化膿して腹膜炎をおこし、その腹膜炎によって腸が癒着して腸閉塞となり再手術に至ったと考えられます。

そしてその手術中の麻酔にトラブルがあれば、術後数時間で死亡を確認するに至っても不思議ではありません。

腹膜炎自体が手におえず術後数時間で死亡するというのは、当時の医療レベルでも考えにくいことです。

麻酔の過剰投与の場合は、麻酔から覚めないで数日経過し肺炎などを併発して死亡するケースが多く術後数時間の死亡というのも変な話です。

やはり手術中にかけた麻酔でショックを起こしたか、気管挿管などのミスが致命傷になったという方に信憑性がありそうです。

いずれにしても現代であれば医療事故として医療者側が訴えられてもおかしくないケースかもしれません。

力道山が生ていればプロレスの歴史はどのように変わったでしょうか。

 Dr.hayashi

 

 

 

 

本名 林 雅之

1949生

千葉市出身

秋田大学医学部卒業

現在 医療法人社団祐光会理事長 弘邦医院院長

内科医として地域医療に従事する傍らスポーツドクターとして

東京都テコンドー協会会長

新日本プロレス 全日本プロレス ゼロワンなど各プロレス団体のリングドクターを務めている

メディカルエンターテナーとして「笑いと健康」をテーマにライブ活動を各地で行っている

ED治療に関しては日本での第一人者であり「男力復活」に取り組んでいる。

 

著書 

ガンやリウマチに効果のある免疫療法(本の泉社)

  リングドクターが見たプロレスラーの秘密(三一書房)

  脳で感じるセックス入門(扶桑社)

  など20数冊

 

新聞連載

  日刊ゲンダイ(関西版) ドクター林の性の相談室

 

ラジオ 

  かつしかFM ドクター林の健康げらげらクリニック(水曜日20:00~21:00)