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December , 2017
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役にたたない英語おせーたる(80)ゴッホもペンキ屋?

2015年5月30日(土)09時00分更新
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 最近、家を購入した友達夫婦が、壁を何色に塗り替えるかで頭を悩ませている。

 私なら、色より、誰に依頼するかで悩むと思う。小さな部屋を一つ二つ塗り替えるというのであれば、自分でできなくもないし、楽しくないこともないが、全部屋となると、プロを雇ったほうがいい。ペンキ塗りはなんせ、sanding(やすりがけ)、masking(マスキング)などの下準備が大変なのだ。

 ある日、散歩中、パートナーがペンキ屋さんの広告を見つけた。”They’ll probably need it, won’t they?”(業者が必要になるんじゃないの?)とパートナー。

 「家中塗り替えるようなこと言うてたから、they may need a professional painter.(プロが必要かもね)」と返事をしてから、ふと考えた。「ペンキ屋さん」はpainterでよかったっけ?

 “By painter, I mean someone who applies paint to the walls, you know what I mean?”(「ペインター」って、壁にペイントを施す人のことを言いたいねんけど、分かる?)と回りくどく確認したら、”That’s painter.”(それがペインターだよ)と笑われた。

 “But ‘painter’ sounds like artists, like Dali, Monet, van Gogh, to me.”(「ペインター」って、芸術家みたいな響きじゃない、ダリとかモネとかゴッホとか) 。

 “That’s painter, too. Because you are from academia, you have such a definition. Normal people around here, no.”(それもペインター。君は学界出身だから、“芸術家”が頭に浮かぶかもしれないけど、ここらへんの普通の人には“ペンキ屋さん”のことだ)。

 そっか。

 パートナーはほかにも例を挙げてくれた。

 “If I tell people around here, ‘I will do fencing this evening,’ no one will think I will swing around the sword, but they think I will put up fences.”(例えば、「今晩、フェンシングするんだ」ってこのあたりの人に言うとするだろ。だれも僕が剣を振り回してフェンシングするとは考えない。フェンスを建てるって解釈するよ)

 スポーツの「フェンシング」もfencingだし、「柵を建てる」のもfencing。同じ言葉でも、その人の社会的、文化的環境によって解釈が異なる。なるほどね。