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May , 2018
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役にたたない英語おせーたる(88)「そば屋の出前」?

2015年8月1日(土)09時00分更新
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 以前、職場のアメリカ人社員たちから”funny guy”(おもろいやつ)と太鼓判を押されている日本人社員がいることを述べた。この日本人は日本勤務。出張で来ることもあるが、顔を合わせるのはほとんどがvideo conference(テレビ会議)でだ。

 先日もvideo conferenceがあり、向こう側に彼がいた。せっかちな人で、アメリカ側の状況が遅々として進んでいないのが気に入らない様子。

 “Our supplier has not responded yet.”(取引先から連絡がないんですよ)と、アメリカ側が言い訳すると、「それをそば屋の出前って言うねん」。そう言ってから、「そば屋の出前じゃ、分からんわな。なんて言うたらええかな・・・」と頭を悩ませている。

 私も「そば屋の出前」の意味が分からなかったので、彼に定義を求めてみた。すると、「ほら、そば屋に電話して出前してもらうんやけど・・・」と、ここまで聞いて「迅速な行動」と解釈し、”Japan wants to have a quick response from your supplier at the speed of Jimmy John’s sandwich delivery.”(日本側は取引先からの迅速な回答を求めている。ジミー・ジョンズのサンドイッチ配達級の速さで)と訳してみた。

 これには会議に参加していたアメリカ人、”Jimmy John’s, ha ha ha!”(ジミー・ジョンズだって、ははは!)と大ウケである。日本人も”Jimmy John’s”が聞き取れたようで、「ジミー・ジョンズって何ですか?」と聞いてくる。「特急デリバリーが売りの、ジミー・ジョンズっていうサンドイッチチェーンがあるんですよ。そば屋では通じないので、ジミー・ジョンズを使って、『迅速な回答が欲しい』と訳してみました」と説明した。

 すると、おもろい日本人は、「そそ、そのJimmy John’sのスピードでお願いしますよ」なんて、早速自分の言葉にしてしまっていた。

 会議が終わった後、「そば屋の出前」の意味が気になったので、ネットで検索してみた。「遅れていることに対して安易な言い訳をすること。そばの出前が届かず、そば屋に電話してみると、(注文を忘れていたにもかかわらず)『今出ました!』などと言われるような状況になぞらえた表現」とある。つまり、おもろい日本人は「そば屋の出前」を使うことで、アメリカ側が取引先にうまくあしらわれていると言いたかったのである。

 “Your supplier is giving you simplistic excuses to postpone their response.”(取引先は容易な言い訳をして回答を引き延ばしている)とでも訳すべきだったのである。

 「迅速の意味」ではJimmy John’sは適訳だった(しかも、ウケた)かもしれないが、そもそもの意味を取り違えていた! 反省である(汗)。