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August , 2017
Sunday


役にたたない英語おせーたる(126)シーフードダイエット?

2016年5月7日(土)09時00分更新
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 オフィス友のBryanは食いしん坊。一応、気をつけてはいるみたいで、デスクでは、junk food(ジャンクフード=カロリーばかり高くて栄養のない食べ物)の代わりにセロリやニンジンをポリポリかじっている姿を見かける。

 それでもお菓子には目がなく、オフィスのあちこちでお菓子を見つけてきては、私にもおすそ分けしてくれる。

 米国は仕事場に食べ物がふんだんに存在するお国柄だと思う。取引先との朝の会議に出れば、会議室には必ず、コーヒーとともにドーナツやパティストリが用意されている。私が働くオフィスでも、チームミーティングがあるとすると、チームのメンバーが順番でドーナツだのベーグルだのを買って来て、食べたい人はそれを食べながらミーティングするのである。ミーティング中に食べ切れなければオフィスに持ち帰り、人通りの多い通路に置いておけば、小腹をすかせた人たちが取っていくというわけだ。Bryanもこの機会を虎視眈々と狙っており、”Hey, if you see someone carrying boxes of donuts, let me know. Be careful about Jim.”(おい、だれかドーナツの箱を持ってたら、教えろ。ジムには気をつけろ)なんて言ってくる。Jimというのはここの従業員の一人で、食べ物のあるところにJimありと言っても過言ではないほど、臭覚が鋭い。Bryanは彼にライバル心を抱いているのである(冗談だけど)。

 ある日、Bryanがpartition(デスクの仕切り)越しに、”I’m hungry. What treat do you have?”(腹減った。なんかおやつあるか?)と聞いてくる。デスクに常設してあるお菓子入れにキットカットが入っていたので、”I have chocolate. Want one?”(チョコレートやったらあるわ。一つ食べる?)と返事をしたら、”No chocolate.”(チョコレートはだめだ)。お菓子なら和洋折衷なんでもこいのBryanがchocolateを拒絶するなんて。

 “Are you on a diet or something?”(ダイエットかなんかしてんのんかいな?)と聞くと、”I’m on a seafood diet.”(シーフードダイエット中)だと言う。Seafood diet(シーフードダイエット)なんて珍しいな。

 ”What? You eat only seafood ?”(何?シーフードしか食べへんの?) 。”Yes, I eat only when I see food.”(そうだ、食べ物を見たときにしか食べない)。

 あれれ、話がかみ合ってないぞ。”What diet are you on again?”(何のダイエットしてるんやっけ?)。”See food diet.”(シーフードダイエットだ)と言いながら、人差し指で自分の目を指している。で、ようやく分かった。Bryanが言っていたのは、seafood(シーフード)ではなくsee food(食べ物を見る)だったのだ。たまたま、私がchocolateを勧めたときは、chocolateな気分ではなかったのだろう。だから、”No chocolate.”だったのだ。

 ちなみに、seafoodsee foodも発音はまったく同じ。

 diet(ダイエット)とは言うものの、目に入るものは何でも食べるというのだから、dietになってない。これ、実は古いジョークらしく、ほかのオフィス友2人ばかりに確認したら、彼らも当然のように知っていた。

 See food dietを敢行しているBryan。とっとと、オフィスのどこからかicing(アイシング、糖衣)ががっつりかかったドーナツを見つけてきて、誇らしげに、”See, I’m on a see food diet.”(ほらな、シーフードダイエット中だろ)だって。もう、好きにしてください。