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役にたたない英語おせーたる(145)「安心安全」のためのビデオ

2016年10月1日(土)09時00分更新
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 先日、会社から「safe and secure(安心安全)のためのビデオを見ろ」とお達しが出た。職場での有事に備えるためのビデオだ。

 銃社会アメリカでは、銃を持つべきではない人まで銃を簡単に入手できることもあり、shootings(銃撃事件)が絶えない。加えて、terror attacks(テロ攻撃)もある。

 日本の学校ならearthquake drill(地震避難訓練)だが、こちらの学校ではschool shooting drill(学校銃撃避難訓練)を行うとも聞く。

 実は今年はじめ、私が働く会社の別のビルでbomb threat(爆弾脅威)騒ぎがあり、数千人の従業員が避難し、ビルがshutdown(閉鎖)したことがある。結局、会社に出入りする業者の従業員の嫌がらせで、bomb(爆弾)もなく、事なきを得た。しかし、この事件を受けて、今回のビデオ講習となったのだろう。

 ビデオは、最初と最後に会社の偉いさんとセキュリティー関係者が出てきて目的を説明するほかは、基本、Department of Homeland Security(国土安全保障省)が作成したビデオで構成されていた。Department of Homeland Securityのビデオのタイトルは、”Run, Hide, Fight”(逃げろ、隠れろ、戦え)だ。”Fight” (戦え)とうあたりが、「スーパーヒーローの国アメリカらしいな」と思った。これはビデオを見る前の話。

 ビデオを見ていくうち、一にRun(逃げろ)、二にHide(隠れろ)、三にFightだということが分かった。そりゃ、ごもっとも。

 “First and foremost, if you can get out, do.”(何よりもまず、逃げられるなら逃げましょう)。”Always try and escape or evacuate, even when others insist on staying.”(たとえ、ほかの人が留まると言い張っても、逃げる、避難するよう心がけましょう)。なるほど、とにかく外に出ないといけないんだ。手荷物などは置いていけ、と。ここらへんはほかのdrill(避難訓練)と同じだ。

 逃げられない場合は、hideである。”Turn out lights, and if possible, remember to lock doors. Silence your ringer and vibration mode on your cell phone.”(電気を消し、できればドアに鍵をかけます。携帯電話の呼び出し音やバイブレーションは切りましょう)。ケータイが鳴って、追跡者に見つかるなんて、サスペンスものの映画やドラマでよくあるある。

 にっちもさっちもいかなければfightだ。”As a last resort, if your life is at risk … FIGHT! Act with aggression … Commit to taking the shooter down, no matter what.”(命が危険にさらされたら、最後の手段として、戦いましょう! 攻撃性を持って行動します。何が何でも銃撃犯を取り押さえることに集中しましょう)。

 面白いなと思ったのは、”The first responders on the scene are not there to evacuate or tend to the injured. They are well-trained, and are there to stop the shooter.”(第一対応者は、被害者を避難させる、あるいはけが人の手当てをするために現場に派遣されるわけではありません。彼らは訓練を積んでおり、銃撃犯を阻止するために現場入りするのです)。映画でもドラマでも、正義の味方は「すぐに助けが来る!」とかなんとか言って、けが人を置いてきぼりにして、犯人を追いかけてどっかに行っちゃうもんね。Shooterをやっつけない限り、死傷者が増えるばかりだから、shooter退治が最優先、けが人介護は二の次ということか。

 警察関係者が到着したら、冷静に指示に従い、常に手を見せておき(武器を持っていないことを示すために)、指を指したり(遠目からだと銃を振りかざしていると勘違いされかねないから)、叫んだりしないこと。

 ビデオのシメは、”If you find yourself faced with an active shooter, there are three key things you need to remember to survive: run, hide, fight.”(銃撃犯に直面した際、生き延びるために覚えておきたいキーポイントは、逃げろ、隠れろ、戦え、です)。

 こんな研修を受けないといけないなんて、えらい世の中になったもんだ。

 ちなみに、Department of Homeland SecurityのRun, Hide, Fightビデオは、GoogleやYouTubeで検索すれば出てくるので、興味がある人はどうぞ。