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August , 2017
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AV出演強要問題に切り込んだ書籍『モザイクの向こう側』 弱り目に祟り目の業界が復活する道は?<後編>

2016年11月2日(水)12時00分更新
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 今年に入ってから、AV出演強要問題が世間で話題となり、大手事務所の摘発や、キャンプ場で撮影された作品で関係者が書類送検されるなど、AV業界がにわかに騒がしくなっている。10月19日に発売された『モザイクの向こう側』(双葉社)は、こうした一連のAV騒動の裏側や、今、AV業界で何が起こっているのか、複数のAV関係者や、被害相談の窓口へのインタビューを重ねてルポした本だ。著者の井川楊枝氏にインタビューした。(後編)

今のAVはユーザーの欲求と乖離している?

──HRNの調査報告書以降、業界は変わっていますか?

井川「みんな、ビクビクしていますよね。生中出しがウリの作品なのに、疑似にしちゃうとか。ハウススタジオだというのに、窓から外が見えるというので、窓を全部覆っちゃうとか。あと、今はカットがかかっても、オフショットのカメラを回すみたいですね。仮に後で女の子が無理やりやらされたって警察に駆け込んだ場合、『これが無理やりやらされているように見えますか?』って反論するために」

──それは大変ですね。業界を取り巻く環境も年々、悪くなっているようですね。

井川「FC2とか無料のエロ動画が氾濫していて、若者はAVを購入しない。それに、今は年間2万本ものAVがリリースされていて供給過剰な状態ですしね。そんな中、今回の強要問題や摘発が起こったから、業界にとっては弱り目に祟り目だったんです。今は2020年の東京オリンピックまでに、大掛かりな規制が入る可能性もあると囁かれています」

──明るい未来が見えないですね。

井川「ただ、今回の本でたくさんの関係者にインタビューしたんですけど、今のAVって、ユーザーの求めているものとは乖離しているのではないかという意見がたくさん出てきたんですね。単体デビュー作だというのに、ぶっかけやったり、複数プレイやったりとか、当たり前になってるじゃないですか。見せるためのセックスというか。昔はそれでよかったと思うんですけど、往年の人気女優の小室友里さんが『今の草食系男子は、こんな過激なのを見ると、セックスはグロくて汚いものだと思うんじゃないか』って言っていました。こういう過激プレイの詰め込みって、CAとかデマンドのセルビデオメーカーが隆盛してから加速したと思うんですけど。今後はもう少し違ったところから作られるといいのかなあと思ったりもします。それがAVの新たなユーザーを開拓することにも繋がればいいですよね」

文・取材/渡辺則明(QBQ)