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October , 2017
Friday


役にたたない英語おせーたる(160)引っ越しの続き

2017年2月18日(土)09時00分更新
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割れた鏡台の鏡

割れた鏡台の鏡

 前回からの続きで、moving(引っ越し)、その後。

 現地入りしてホテルで1泊した翌日、仮契約しているアパートに、lease(賃貸契約)のサインと鍵をもらいに出かけた。アパートの規模も大きければ(数千人も住んでいるらしい)、leaseも大きい。何枚サインすりゃいいんだ?というほどである。夫も、”It’s more than buying a house!”(家を買う以上だな、こりゃ)とあきれていた。きちんとした管理会社が管理しているということなのだろうと、前向きに理解することにした。

 中央玄関にはfront desk(フロントデスク)があり、脇にconcierge(コンシェルジュ…と言えば聞こえはいいが、要は宅配の荷物を預かるなどの作業をする人)がいる。建物自体、key fob(キーフォブ、キーレスエントリー用の装置)がないと入れないようになっているので、訪問者はfront deskでチェックインしなければならない。中に入れば、大画面テレビルーム、映画ルーム、会議室、コンピューター、ゲームルーム、コーヒーショップ、コンビニとまあ、いたせりつくせり。中央玄関があるビルの2階から4階はフィットネスセンターだ。プールやサウナまである。

 leaseのサインを済ませた翌日、引っ越しの荷物が届けられた。エレベーターはあるが、部屋が4階ということと、最寄りのエレベーターの使用許可が下りず、ビルの反対側のエレベーターを使わなければならず、荷物の運搬に余計な時間がかかってしまった。が、しょうがない。

 packing(梱包)はmover(引越業者)がすべてやってくれたが、unpacking(荷ほどき)は自分たち。moverがしてくれるのは、家具の移動、必要であれば、家具の再組み立て、cardboard boxes(段ボール箱)の運び込みまでである。

 小さなアパートはみるみるうちに家具とcardboard boxesで埋まり、身動きが取れなくなった。moverに空き箱を持って帰ってもらおうと、キッチンのものからunpackingに取り掛かった。unpackしてもunpackしても荷物が運び込まれてくる。”Do we have more?!”(まだあるの?)と聞くと、”I told you. You have quite a few!”(言ったじゃない、かなりあるよって)だって。やっぱり3-bedroom house(3部屋ある家)から2-bedroom apartment(2部屋のアパート)への引っ越しは無理があったか…。

 moverが去るまでに、数十箱のcardboard boxesを空けた。予想はしていたが、中には相当な量のwrapping paper(梱包用の紙)が入っていた。空き箱とwrapping paperは持って帰ってもらったものの、それ以上の数のcardboard boxes(と、もちろん中に入っている大量のwrapping paperも)が残された。ああ、こんなにたくさんのcardboard boxes、どうやって処理すりゃいいんだ?!

 夫が、dresser mirror(鏡台の鏡)が割れているのに気が付いた。引っ越し前は割れていなかったので、これはmoverの責任である。”We apologize for that. Please call this number. They will send you a claim form. Fill it out and send it back to them.”(すみませんでした。この電話番号に電話してください。クレーム用紙が送られてきますので、それに記入して送り返してください)と、電話番号を渡された。

 西洋では、鏡が割れるのは縁起が悪いとされる。”Breaking a mirror brings seven years of bad luck.”(鏡を割ると7年間不幸になる)と言ったりする。もちろんこれは迷信で、昔むか~し、mirrorが高級品だったころ、mirrorを粗末に扱わないように考え出されたscare tactic(怖がらせ作戦)。7年という期間は、ローマ人が「人が更生するのに7年かかる」と信じていたことから導かれたらしい。なるほど。

 moverが帰って、さらにunpackして発覚したのだが、dresser mirror以外にも、額装のガラスが割れていたり、モニターのスタンドが壊れていたり、こまごましたものが行方不明になっている。子猫を運ぶように丁寧に荷物を運んでくれる日本の引越サービスとは大違いである。560マイル(約900キロ)という長距離移動で、運送中不本意な事故が発生し得るのは理解するが、もう少し、お手柔らかに扱ってもらいたかったものだ。

 ちなみに、残されたcardboard boxesとwrapping paperの山は、後日、業者が引き取りに来てくれた。

 ようやく、アパートが住まいらしくなった。