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April , 2017
Wednesday


役にたたない英語おせーたる(162)運転免許証と車両登録

2017年3月4日(土)09時00分更新

車両登録申請書やら運転免許証申請書やら書類だらけ

車両登録申請書やら運転免許証申請書やら書類だらけ

 州をまたいだ引っ越しで、しなければならないことの一つが、引っ越し先の州が発行するdriver’s license(運転免許証)の取得とvehicle registration(車両登録)である。

 ほかの州で発行された有効なdriver’s licenseを持っていれば、テストを受けずにdriver’s licenseを発行してくれる州もあれば、コンピューターテストだけは受けなければならない州、運転試験から受けなければならない州と、driver’s licenseの書き換えのルールは州によって異なる。私が引っ越したニュージャージー州の場合は再テストの必要がなかった。

 driver’s licenseとvehicle registrationの手続きをするには、Motor Vehicle Commission(自動車委員会)のオフィスの一つに出かけなければならない。この行政機関の呼び名も、州によって異なる。ニュージャージーはMotor Vehicle Commission(MVC)だが、オハイオはBureau of Motor Vehiclesだし、オレゴンはDepartment of Motor Vehiclesだ。

 MVCに出かけた。ドアを開けてみると、あちらこちらに長い列ができている。どこに並べばいいのか分からず、近くにいたpolice officer(おまわりさん)に、”Um …”(あのお…)と言いかけたら、何も言わずに右に指をさされた。なるほど、右に行けばいいのね。あ、確かに、reception(受付)って書いてある。

 receptionでApplication for Vehicle Registration(車両登録申請書)だのApplication for Driver License(運転免許証申請書)だの何だのの用紙を渡され、記入したら、ID check(ID確認)の列に並べと言われた。

 ID checkでようやく自分の番が回ってきた。”What can I do for you?”(用件は?)。”I just moved to New Jersey. I think I need a New Jersey driver’s license and vehicle registration.”(ニュージャージーに引っ越してきたばかりです。ニュージャージーの運転免許証と車両登録が必要だと思うんですけど)と言いつつ、passport(パスポート)だ、proof of address(住所証明)だと持ってきた書類をまとめて渡したら、”Whoa, whoa, whoa, let’s do one by one.”(おいおいおい、一つずついこうぜ)。

 ところで、アメリカには住民票の制度がない。なので住んでいる場所を証明するには電力会社や水道会社の利用明細書、あるいは銀行口座の月次明細が求められる。

 話を元に戻す。

 “Do you have an out-of-state driver’s license? Then, will you give me your driver’s license first?”(州外の免許証を持ってるかい?んじゃ、まずはそれを見せてもらおうじゃないか)。どうも、この人の英語は江戸っ子調である。

 オハイオ州のdriver’s licenseを見せるなり、”Oh, it’s fake.”(こりゃ、偽物だ)。おやじ、なかなか面白いじゃないか。私のdriver’s licenseの住所がDublin, OH(オハイオ州ダブリン)になっているのを見て、”Where’s Dublin, OH?”(オハイオ州ダブリンってどこだい?)と聞いてくる。すっとぼけているのかと思い、”What do you mean?”(どういう意味ですか?)と聞き返したら、”I mean, what’s the nearest big city?”(最寄りの大都市は?って意味)。”It’s Columbus.”(コロンバスです)と答えると、「大したことねえな」的なジェスチャーをする。まったく、面白いおやじだ。

 米国の役人のイメージはよくない。客商売という感覚がなく、愛想もくそもなく、べちゃくちゃ同僚とくだらない話をして平気で客を待たせる…というのが、外部から見た職員像である。ところが、私が出かけたMVCのID checkのおやじは、世間話はしてくるし、冗談は飛ばしてくるし、役人らしからぬ人物だった。

 私は外国人なので、passportだ、I-94(出入国記録)だと、米国市民以上のID確認が必要で、それだけに時間がかかる。だが、このおやじのおかげで、それほど長く感じなかった。

 ひととおりのID確認が終わって、”I’m going to put together your documents.”(おまえの書類をまとめてやるからよ)と言うので、”Where should I go next?”(次はどこに行けばいいですか?)と聞いたら、”Shush! Wait up, I will tell you next.”(シーっ。待てってんだい。次に教えてやるからよ)だって。 最後の最後までおもろいおやじだった。