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December , 2017
Friday


役にたたない英語おせーたる(175)サウザンド諸島

2017年6月10日(土)09時00分更新
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折りたたみ式カヤックを背負って日本に帰っていった幼なじみちゃん

折りたたみ式カヤックを背負って日本に帰っていった幼なじみちゃん

 日本から、幼なじみちゃんが遊びに来た。彼女は都会に興味がないアウトドア派なのだが、私がニューヨーク近郊にいるということ、航空会社のマイレージを使ってタダ同然で来られること、こんな機会でもなければニューヨークに来ることはないであろうことを鑑み、ニューヨーク旅行を決意したのだ。

 決心すれば、行動は早い。だんなさんの承諾を得ることはおろか、家族に相談することもなく、そそくさと航空券を予約し、家族には事後報告。渡米する前に、こちらでしか購入できない、あるいは、こちらなら廉価で購入できるものをAmazon.com(米国版アマゾン)で購入し、私のアパート宛に送ってきた、大量に。帰りに一緒に持って帰るためだ。

 彼女の買い物の中で驚いたのが、foldable kayak(折りたたみ式カヤック)。かさもデカけりゃ、重さも相当ある。夫にさえ、”Is she really planning to take this home?!”(お前の友達、ほんとにこれを持って帰るつもりなのか?!)と言わしめた。幼なじみちゃんは、遊びにかけては超人なのだ。

 到着して1日2日は、時差ぼけのせいか、うちでおとなしくしていたが、その翌日からはチャリンコであちらこちら疾走し始めた。英語が全く分からないわけではないが、不自由しないほど流暢でもない。それでも、チャリンコをかついで電車に乗り、ferry(フェリー)に乗り、Manhattan(マンハッタン)に出た。私など、どこからManhattan行きのferryが出ているのかも知らないというのに、たいした行動力である。それから、車に混じって、Lower Manhattan(ロウアーマンハッタン、マンハッタン南端)からMidtown(ミッドタウン、マンハッタン中部)にかけて走り倒したらしい。このおかげで、Manhattanの造りが大まかに把握できたという。市内の移動にはsubway(地下鉄)が便利だが、subwayに乗っている間は地下なので、土地勘がつかめないのが欠点だ。

 都会に疲れたと言って(チャリンコで走り回れば、都会じゃなくても疲れるのは当然だろうけど)、今度はNiagara Falls(ナイアガラの滝)の2日間バスツアーを探してきて参加した。Niagara Fallsはニューヨーク州である。日本語ガイドなど付いていないツアーだ。集合場所も自分で調べて、出かけていった。Google map(グーグルマップ)と度胸のなせる業か。

 これ、Niagara Fallsに行く前に、Lake Ontario(オンタリオ湖)に浮かぶThousand Islands(サウザンド諸島)に立ち寄るツアーだったようで、初日はNiagara Fallsまで到達せず、楽しみにしていたNiagara Fallsの夜景が見られずじまいだったという。それでも、Thousand Islandsは風光明媚なところで、行く価値ありだそうだ。ちなみに、Thousand Islandsは、一説には、Thousand Islands dressing(サウザンドアイランドドレッシング)発祥の地とされる場所である。

 翌日、ようやくNiagara Fallsを見て、ボートに乗って滝の水しぶきを浴び、帰途に着いた…のはいいが、そろそろ着くころかな~と思っていた矢先に、幼なじみちゃんから、「ピックアップの場所と違うとこに下ろされた!」とLINEが入った。聞けば、Manhattanの、おそらくChinatown(チャイナタウン)のあたりだと言う。

 ニューヨークのsubwayの路線は単純だから、慣れればなんてことはないのだが、行き先の表示が分かりづらくて、不慣れな路線を使うときなど、「あれ、これはuptown(アップタウン、北)行きか、downtown(ダウンタウン、南)行きか?」と迷うことがある。などなど考え、心配になったが、本人は意に介さず、「なんとかなるべ」である。それが何とかなるから、世の中捨てたもんじゃない。ケロっとして帰宅し、ビールを飲んで、「はあ、五臓六腑に染み渡る~」だって。

 約2週間のニューヨーク旅行はあっという間に過ぎ、大きなkayakを背負って日本に帰っていった。たくましい人だ。