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December , 2017
Friday


役にたたない英語おせーたる(176)通勤ラッシュ

2017年6月17日(土)09時00分更新
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乗るのが楽しみになってきた地下鉄

乗るのが楽しみになってきた地下鉄

 日本でもめったに経験しなかったcommuter rush(通勤ラッシュ)を、ここManhattan(マンハッタン)で経験している。つらい!東京で働いていたころ、運よく始業時間が遅く、ちょうど私の通勤時間に利用駅発の電車があったので、座って通勤できたのである。なんて幸運だったんだ!と今になって思う。

 commuter rushとは言ってみたものの、Manhattanの通勤人口はたかが知れている。週日、近隣地域からManhattanに流れ込む人口は60万人程度。一方、日本の新宿駅はその数、約360万人というからその差は歴然。私が使うのはsubway(地下鉄)で、込み合ってはいるが、駅の係員が押して詰め込むようなことはしない。東京なら、東海道線や中央線でよく見られる光景だけど。

 何がつらいかというと、たかだか10分程度のsubwayの行程を立っているのがつらいのである。やたら揺れるし、急ブレーキかと思うほどのブレーキをかけるし、そのたびに踏ん張らないといけなくて、それがbunion(外反母趾)持ちの私には非常につらいのだ。サポートの効いたinsole(靴の中敷)を入れて通勤する毎日である。

 先日は、普段なら3分刻みくらいで来る電車が遅れに遅れ、その分、プラットフォームに人があふれた。ようやく電車が到着したかと思ったら、すでに満員で乗る余地なし。次に期待して、それを見送ったが、次の電車もほぼ満員で、私の駅で数人が乗車して満杯に。それもやり過ごして、さらに次に期待したが、次もだめ。しょうがないので、いつも乗るexpress(急行)をあきらめ、向かいのプラットフォームから出ている同じ路線のlocal(各停)を使うことにした。

 localに初めて乗ったが、がっらがらじゃないか。すいているのに気をよくしてのんびり電車に乗っていたら、そろそろ会社の最寄り駅という辺りで、知らない駅名がアナウンスされた。後で気付いたことだが、localとexpressは途中から路線を分かつのである。しまった!

 慌てて次の駅で下車し、地上に出た。げげげっ、知らない場所だ。携帯電話のマップ機能で無事会社にたどり着くことができたが、ケータイがなかったら、今でも町を徘徊していたかも。冗談はさておき、subwayの駅と駅はそれほど離れていないので、ひと駅くらい降りる駅を間違えたところで、歩いて挽回できる、ということが分かった。

 会社に着いて、同僚2人に事の次第を話したら、”I did the same before.”(おれも、前に同じことやった)、”It happens all the time.”(よくあることだよ)なんて同情してくれた。まあ、よくは起こってもらいたくはないが。

 しかし、subwayには奇々怪々な人たちがいて飽きない。subwayに乗るのが楽しみなくらいである。歌を歌う人、楽器を奏でる人など序の口で、先日、急に叫び出した女性がいた。”I’m holding this bag, and I’m holding this coffee. You are staring at me! You are insulting me! Are you out of mind? I can’t speak. I can’t speak!”(バッグとコーヒーを持ってんのよ。それをじろじろ見て、侮辱して!頭おかしんじゃないの?言葉にならないわ、言葉にならない!)とかなんとか。私はドアのところで外を向いて立っていたのだが、ぎゅうぎゅう詰めだったため、様子を見ようにも振り向くこともできない。

 ”I can’t speak. I can’t speak!”(言葉にならないわ、言葉にならない!)と言う割りに、この女性はひたすら叫び続け、ついには”B#@%&!”(これでキレている相手が女性だということが分かった)だの、”F----!”(これは言わずと知れたののしり言葉ですね)だのを連発し、次の駅で降りていった。何をそんなに朝からキレる必要があったのか分からないが、遠めに聞く分にも彼女の言っていることが支離滅裂なので、「頭がおかしいのはキレている本人のほう?」と思って、キレられた相手を哀れに思った。

 その日の夜、帰宅して夫に話したら、”She can’t speak, but obviously, she can shout.”(その人、言葉にはできないんだけど、明らかに叫ぶことはできるんだね)だって。いや、ポイントはそこか?