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October , 2017
Tuesday


役にたたない英語おせーたる(178)グループハグ

2017年7月8日(土)09時00分更新
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 かつてのオフィス友のBryan(ブライアン)が遊びに来た。家族、親せきを連れてPennsylvania(ペンシルバニア州)とNew Jersey(ニュージャージー州)の州境のリゾートで夏休みを過ごすついでに、足をのばしてNew York City(ニューヨーク市)を見てみようということになったらしい。ちなみに、Bryanとティーンエージャーの娘はNew York Cityは初めて。

 うちまで車で来て、うちに車を置いて電車でNew York Cityに出ればいいと提案してあったのだが、来ると言っていた日の前日になっても連絡がない。Bryanなら連絡もなく突然現れかねないので、確認のためこちらから電話してみた。

 “Well, we are going to use your place as a base, you know. Of course, say hi to you, grab some beer or something, hop on a train to the city, come back, say hi to you again, grab some beer, you know.”(何て言うか、お前んちを拠点にするわけよ。もちろん、お前にあいさつするけどさ、ビールか何か飲んで、電車で町に出て、帰ってきて、またお前にあいさつして、ビール飲んでって感じよ)

 なんだ、きっちり予定立ててんじゃないよ。予告もなしに来るつもりだったのか?

 で、翌朝、Bryanが友人のTim(かつてNew Jerseyに住んでいたので、ここらへんの土地カンがある)、娘、めいとおいを伴ってミニバンで現れた。

 うちまで2時間運転してきているので、休憩がてら、部屋にあがってもらったら、早速Bloody Mary(ウォッカとトマトジュースのカクテル)が飲みたいという。まだ朝の9時半である。娘に、”Dad, it’s too early to drink!”(お父さん、飲むには早すぎるでしょ!)としかられても、”It is said it’s always 5 o’clock somewhere!”(いつだって世界のどこかが午後5時って言うじゃないか!)と言って譲らない。結局、Bloody Maryを2杯飲んで、ようやく重い腰を上げた。娘とめい、おいに”Stop drinking! Let’s go!”(飲むのやめて、出かけようよ!)とさんざん言われてからのことである。友人のTimにも、”Remember, you have to walk in the city. I’m not going to drag you.”(町に出たら歩かなきゃいけないってこと、分かってるんだろうな。引きずってやらないぞ)と言われていたが、気にする様子ゼロ。そりゃもう、朝からにぎやかである。

 午後になって、出かけているBryanからtext(ケータイメール)が入った。”Aargh”(あああ!)とだけある。道にでも迷ったのかと心配になって、”What’s wrong?”(どうした?)と返信したら、これまた”20,000 steps”(2万歩)とだけ返ってきた。日ごろ歩かないのを、突然2万歩も歩いて疲れた結果の”Aargh”なのだろうと察した。”Good for you!”(よくできました!)とレスしておいた。

 午後6時半ごろ、皆、”My feet are killing me!”(足が痛くて死にそう!)とかなんとか言いながら、疲れた顔で帰ってきた。聞けば、Penn Station(ニューヨークペン駅)からTimes Square(タイムズスクエア)を経由してCentral Park(セントラルパーク)の中心くらいまで北上し、そこからsubway(地下鉄)でLower Manhattan(ロウアー・マンハッタン、マンハッタン南端)に出て、Battery Park(バッテリー・パーク、マンハッタン南端の公園)、One World Trade Center(ワンワールドトレードセンター、ワールドトレードセンター跡地に建てられた超高層ビル)、その近くのショッピングセンターWestfield World Trade Center(ウエストフィールド・ワールドトレードセンター)などを歩き回ったらしい。疲れて当然の距離である。

 子供たちは”We saw a lot of weird people.”(変わった人、たくさん見た)と言って、その変わった人たちと一緒に撮った写真を見せてくれた。無邪気なものだ。その一方で、疲れて声にもならないのか、Bryanは手でビールを飲むジェスチャー。ビールを差し出したら、一瞬で空にし、さっさと2本目を開けていた。ほんの1時間もしない間に5~6本は空けていただろうか。子供たちに、”Let’s go home!”(帰ろうよ!)と催促され、ようやく飲み終え(本人はまだ飲みたかった様子だが)、立ち上がった。お酒が入って感傷的になっていたのか、”We are going to have a group hug. Come one!”(みんなでグループハグするぞ、ほら!)と言ってきかない。子供たちが面倒くさそうな顔をしているのもなんのその、無理やりみんなでgroup hug(グループハグ)してお開きとなった。

 相変わらず、嵐のような人である。

 ちなみに、group hugというのは、複数の人が抱き合うあいさつのことだ。