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July , 2017
Tuesday


役にたたない英語おせーたる(179)メトロポリタン美術館

2017年7月15日(土)09時00分更新
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メトロポリタン美術館の正面

メトロポリタン美術館の正面

  美術館など興味のない夫が、”Why don’t we go to the Metropolitan Museum this weekend?”(今週末、メトロポリタン美術館に行こうか?)と言い出した。これはチャンス!引っ越してきてからずっと行きたいとは思ってはいたものの、人込みを想像して、なかなか踏み切られずにいたのだ。

 Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)、通称MET(メット)は、Central Park(セントラルパーク)の東側にある全米最大の美術館で、超人気の観光地だ。夫の気の変わらぬうちに、オンラインでチケットを購入しようということになったのだが、オンラインで購入するとなると、チケット代が大人一人25ドル(約2800円)に限定されてしまうことが分かった。METの入館料はあくまでdonation(寄付)なので、払いたい額を払えばいいのだが、オンラインでは有無を言わさず”suggested” fee(’勧告価格)がチャージされるようだ。

 「ちょくちょく行きたいから、一人10ドル(約1130円)でいいんじゃない?」ということで、チケット売り場で並ぶのを覚悟で、売り場でチケットを購入することにして、出かけた。

 Central Parkの西側で地下鉄を降り、METの裏側(Central Park側)にすいている入口があることを期待して向かった。METの裏に着いて、ドアらしきものを見たが、入っていく人がいない。ドアに向かう前に、近くで草むしりをしていたボランティアのおじいさんに聞いてみた。

 ”Is this the Metropolitan Museum? Can we come in from that door?”(これってメトロポリタン美術館ですか?あのドアから入れます?)おじいさんによれば、正面に2か所に入口があるだけで、ほかにドアはあっても中には入れないそうだ。ぐるっと回って、Fifth Ave.(五番街)からアプローチするしかない。

 このおじいさん、おしゃべり好きな情報通で、さらに入れ知恵してくれた。

 ”Don’t pay the full amount. I don’t remember how much the admission fee right now, but it’s only ‘recommended,’ so you don’t need to pay the whole amount. I would pay $1 per person. So, you pay $2 altogether, and they will say ‘Thank you’ anyway.”(全額を払うんじゃないよ。今、入館料がいくらだったか覚えちゃいないが、ありゃ、ただの「推奨される」額だから、そのままの額を払う必要はないんだ。私だったら、一人1ドルしか払わない。だから、あんたたちなら二人で2ドルだ。それでも「ありがとうございます」って言ってくれるよ)とのこと。一人10ドル払うつもりで来ていたので、おじいさんの助言は私たちの更に上をいくものだ。これぞNew Yorker(ニューヨーカー)!

 おじいさんにお礼を言って別れ、正面玄関へ。大階段を上がったところの入口には長い行列ができていたので、ダメもとで1階の小さな入口から入ってみたら、あっさり入れた。簡単なセキュリティチェックを済ませて、チケット売り場に向かった。ここにも行列はなく、さっさとカウンターに到着。売り場のお姉さんが、”How much do you want to pay today?”(今日はいくらお支払いになりますか?)と聞くので、New Yorkerのおじいさんを見習い、”$2 for two today.”(二人で2ドルでお願いします)と言って2ドル出したら、”Thank you.”(ありがとうございます)だって。おじいさんの言ったとおりだ。

 特別展から攻めようということで、9月までの川久保玲(コムデギャルソン)展と来年2月までの日本の竹細工展を見て、impressionism(印象派)、Picasso(ピカソ)、Matisse(マティス)あたりを見て回るだけで、疲労困憊である。何てったってデカい。展示から展示まで歩くだけでも結構な距離になる。最後に、屋上からCentral Parkをながめてその日はお開きとした。

 いやあ、1ドルであれだけのアートを満喫できれば、もうけものである。が、今、METは”suggested” feeを、観光客に対してはmandatory fee(強制的に徴収する料金)にしたいとNew York City(ニューヨーク市)に陳情しているらしい。赤字を埋める策らしいが、美術館の運営で生じたというより、投資の失敗による赤字だろう。反対する声も多いようなので、前途多難だが、METを廉価で楽しみたい人は、今のうちにお出かけを。

屋上から見えるセントラルパークのながめ

屋上から見えるセントラルパークのながめ