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December , 2017
Tuesday


役にたたない英語おせーたる(196)感謝祭

2017年12月2日(土)09時00分更新
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 11月第4木曜日はThanksgiving(感謝祭)という祝日だ。なぜに「感謝」かというと、初期の移民が新境地での最初の収穫を神様に感謝したのである。収穫祭という意味はすっかり薄れてしまっているが、今でもこの日には家族や友達が集まって、turkey(七面鳥)をメーンとするfeast(ごちそう)を共に食べる。この日の前後は帰省する人たちが国内を大移動するので、空港やfreeways(高速道路)がいつになく混雑する。

 私たちも夫の父ちゃんのturkeyをいただきに帰省した。父ちゃんはまめに料理をする人なのである。

 父ちゃんは父ちゃんの彼女と、近所で一人暮らしの友人Tim(ティム)も招待していた。彼は家族が全国中に散らばって暮らしているので、時期をずらして子供や孫に会いに行くと言っていた。

 Timは愉快な人で、彼の話は非常に面白い。私たちがNew Jersey(ニュージャージー州)に住んでいると知って、New Jersey、New York(ニューヨーク州)にまつわる自分の経験を面白おかしく聞かせてくれた。

 “We had dinner at a restaurant in New York. They charged me for gratuity. What the hell is that?! I ordered gnocchi, not gratuity!”(ニューヨークのレストランで食事をしたんだ。そしたら、グラニュイティを請求された。なんだそりゃ?!注文したのはニョッキで、グラニュイティじゃない!)。これには大笑い。gratuityとは「チップ」のこと。ちなみに、gnocchi(ニョッキ)はイタリア料理。Timはレシートに記載されたgratuityを料理の一品だと言っているのである。

 米国はチップの国なので、レストランやヘアカットなど、サービスを受けると、顧客は10~25%のチップを払う。レストランによっては、レシートにチップの料金を記載していて、これが計算が面倒な人には便利っちゃあ便利だが、押し付けがましいと感じないこともない。Timは後者だ。

 Timはgratuityという言葉を知らなかったわけではない。“I’d tip them whatever I want to. Don’t tell me how much to tip! That’s why I no longer go to New York.”(心付けしたいだけのチップはするっちゅうの。いくらチップするか、人に言われたくない!ニューヨークに行かなくなったのはそれが理由だ)。

 New JerseyはNew YorkとPennsylvania(ペンシルベニア州)と隣接している。ルートによっては車でPennsylvaniaからNew Yorkに向かうと、ほんの一瞬、New Jerseyを経由する。あるとき、Timは車でNew Yorkからさらに東に向かっていた。途中、給油しなければならず、あるgas station(ガソリンスタンド)に寄ったところ、”A guy came to my truck and opened my gas tank. I was freaked out! Don’t touch my truck! And I rushed out and drove to another gas station, and another guy opened my gas tank there, too!”(男がおれのトラックにやってきて、ガスタンクを勝手に開けるんだ。真っ青になったよ!おれのトラックに触るな!で、慌てて次のガソリンスタンドに向かったんだ。そこでも別の男がガスタンクを開けに来た!)。

 たまたま、Timが入ったgas stationは2軒ともNew Jerseyに位置していたのである。New Jerseyでは、顧客がガソリンをセルフで給油することができない。こんな州法があるのは、New JerseyとOregon(オレゴン州)のみ。なので、たいていの米国人はセルフで給油するのが当然だと思っていて、Timは大げさにそれを体現したのである。

 どっかんどっかん笑いを取ったあと、Timは帰っていった。夫の父ちゃんによると、Timは必ずしも円満な人生を送ってきたわけではない。辛苦を経験しているからこそ、あんなに陽気にふるまえるのかな。