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April , 2018
Wednesday


役にたたない英語おせーたる(201)ホームレスという現実

2018年1月13日(土)09時00分更新
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 Newark(ニューアーク)という、New Jersey(ニュージャージー州)一大きな町で開かれたコンサートに出かけた。コンサートホールまではここから一駅で行け、駅からも歩いてすぐという至便。建物は立派で近代的できれいにメンテされている。音楽もよく、大満足でホールを後にした。それが夜の10時過ぎ。

 これまでも、何度かNewarkには電車で来て徒歩で散策したことがある。再開発が進んで洗練されたエリアと、手付かずのままの貧しいエリアがはっきり分かれた町だ(という印象を私は受けた)。見るからに貧しいエリアは、昼間でも1人で歩くにはあまり気持ちの良いところではない。

 コンサートホールは再開発が進んだエリアにあり、コンサート前後は観客であふれ、交通整理のおまわりさんたちもわんさかいたので、気持ち悪く感じることも、危険を感じることもなくNewark Penn Station(ニューアークペンステーション駅)まで歩けた。

 しかし、着いた先のPenn Stationは華やかなコンサートホールとは真逆のreality(現実)を呈していた。大勢のhomeless(ホームレスの人たち)である。その数…電車待ちの乗客よりも多いんじゃないか? 

 私たちはほんの数秒の差で電車を逃してしまい、プラットフォームより待合室のほうが暖かいだろうということで、次の電車が来る夜11時ごろまでそこで時間をつぶすことになった。

 駅の大待合室にはベンチシートが何列もずらりと並べられている。”Ticketed customers only”(切符をお持ちのお客様専用)と書かれたサインがあるにもかかわらず、homelessが陣取っていた。座っているというか寝ているというか。当日はsubzero(華氏でゼロ度以下)という厳しさだったこともあり、決して暖かくはないけれど、風は避けられる駅の待合室に集まってきたのか。10人ほどの警察官が巡回していたが、homelessを追い出すこともできないのだろう。この寒さで外に放り出したら、凍死するのは目に見えている。

 Newarkの人口はたかが28万人としれているが、homelessは1800人もいるらしい。Newark Penn Stationに大勢のhomelessがたむろするのは、公共のhomeless shelter(ホームレス一時宿泊施設)がないからだそうだ。慈善団体が運営する施設はいくつかあるが、さまざまな条件があって、おいそれとは収容してもらえないのだとか。

 電車の時間が来たので、プラットフォームに出ようと階段のところまで来たら、canine(警察犬)を連れた5~6人の警官が何やら話をしていた。夫に” Should we take the other stairs?”(あっちの階段使おうか?)と提案すると、”We’d better be with them.”(いや、おまわりさんと一緒にいたほうがいいよ)と言う。”Why?”(なんで?)と聞くと、”Did you hear that they said something like, ‘Let’s find a black male with a switch blade.’”(おまわりさんたち「飛び出しナイフを持った黒人の男を見つけるんだ」なんて言ってたの聞いた?)と言う。

 ”Alright, then, we will be safer if we are behind police officers, won’t we?”(それなら、おまわりさんの後ろにいたほうが安全だわね)ということで、警官たちに続いて上り無事プラットフォームへ。警官たちが視界から消えたと思ったら、しばらくして何やらもみ合いながら階段を下りて行った。問題の男をつかまえたのかな?

 すぐに電車が来て、私たちはNewarkを後にしたが、Penn Stationで悲しいrealityを目の当たりにし、非常に考えさせられた。権力争いに明け暮れる政治家はNewark Penn Stationの夜を見てみるべきだ!